中央区浄水通りを登りきったところに動植物園がある。昔、浄水場があった名残が植物園から動物園に抜ける道の傍らにひっそりと佇んでいる。跡を撮りたいという欲求はどこから湧いてくるのだろう。それは今では認可されない積み上げ工法の煉瓦造りに惹かれるのか、どこか洋館風なディテールに魅了されるのか。とにかく時間をかけた質感の良さを感じさせてくれるものにカメラを向けたい。また良し悪しにかかわらず時空を超えたものにも興味がある。ライカの非球面化された現行レンズはシャープで色乗りも良くあらゆる収差も改善されいわゆる優等生。エッジが切り立つような現代建築などを撮るには、ゆがみ(タル型や糸巻き型といわれる収差)がほとんどない描写で得意とするところだろう。それはそれとして古いレンズに向かってしまうは、やはり長い時を過ごした被写体を撮るときに使いたいから。旧型でもこちらの希望にきっちりと応えてくれるからね。
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